テキストサイズ

浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第12章 〜クラング・ハイノート

鎌のような5本の長い爪は一気に閉じると籠のようにアンジェラ機を捉えた


まるで骸骨の肋骨の中に居るかのように見える


そして妖しげな爪からは紫色の光を放ち、熱線を照射していた!



「キャアァォァァッッッ!!!」


「アンジェラさん!」


ナオト機とラルフ機は妖しげな機体に突撃する


ジジ……、ジジ……と音声回線が混線すると


低い男の声が割り込んできた



「冷蔵庫部隊の皆さん……、タイへようこそ…

ワタシはトランキュリティ、アーチエネミーのヨハン……


マグリットの連中が取り逃した獲物がわざわざワタシのエリアに侵入してくれて、有り難いですよ……」



抑揚の無い低い声が不気味だ


タイを占拠しているトランキュリティの一軍

アーチエネミー=悪魔の軍団

とは言い得て妙だ


骸骨を思わせる華奢なシルエットの機体


そして低い声


まさに地獄からやってきたような感覚


「な、なんだよコイツは!」


ナオトはアンジェラ機を奪還せんと、爪に手をかけるが逆に払いのけられてしまう



おそらくその長い爪は接近戦に特化した機体のようだ


しかし、なんとかアンジェラを奪還しないとあの爪の熱線攻撃を何度も喰らうと機体だけでなく中のパイロットが危険だ



迷っている時間は無い!


しかし、ただ直進攻撃をかけても無意味だ


決断と行動


「……どうする?」



もし、アンジェラさんならどうする…


シンシア隊長ならどうする!?


ストーリーメニュー

TOPTOPへ