テキストサイズ

浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第13章 〜疾風、シュターム

戦闘空域から離脱したキュール・シュランクはタイから離れた


パイロットたちは休息が取れたが、メカニックマンたちは今からが戦場のようだ


ほとんどの機体がオーバーヒート寸前


特に酷いのがアンジェラ機と、ナオトが搭乗したマリコ機だ


同様にアンジェラとマリコも戦線離脱状況だ


アンジェラは全身やけど


マリコは全身打撲と骨折


ナオトも両手のやけどがあるものの、二人の女兵士の重症度と比べたらマシなほうだ



医務室から出たナオトを廊下でシンシアが待っていた



「お前はいつもケガをしているな!」


「そ、そうですね…」



「そして機体をめちゃくちゃにして来る…」



「はぁ…」



ナオトは目を合わせられず下を向いてしまう



だが



シンシアはナオトの肩を掴んできた



軽くハグをするように身体を近づける


匂い…


アンジェラのような強い香水は付けていない


シャンプーの香りだろうか


ナオトのほうが背が高いのでナオトの顔にシンシアの頭頂部が見える


美しい金髪



「アンジェラを助けてくれて、ありがとう」


シンシアは小さく囁くとナオトから離れた



「……え? ……ああ、ハイ、 いや、まぁ当然です…」



ナオトは動揺していたが、シンシアはそのまま何も言わず廊下を歩いていった


シンシアの背中を見つめるナオト


動揺するナオトの態度を見て、笑みを浮かべている少女の顔は見れなかった…


ストーリーメニュー

TOPTOPへ