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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第13章 〜疾風、シュターム

ナオトは私服のままパイロットたち用の控え室にやってきた


窓からは格納庫が見える


2機のフリーゲンは解体されている


一番奥に追いやられたマリコ機を見てナオトはため息をつく


シンシア隊長に言われた直後もあって深く落ち込んでしまう


確かにここにやってきたときは旧式のクラングですでにボロポロで拾われた


改修されてからの模擬戦では墜落、

最悪な事にロストした機体は敵の基地に回収されたようだ


搭乗機が与えられず砲座を任されたものの、


偶発的に乗り込んだマリコのフリーゲンを中破


機体も、自分もボロボロだ…



まともに帰還したことが、無いよな…


窓を眺めながら、ひときわ眼をひく機体が3つ


新型機、シュターム



シミュレーションで見たそのままの機体


前翼と後翼の4枚が目立つ


上から見下ろすと後頭部しか見えないが、とても小さな機体なのがわかる


赤い機体は当然シンシア機


青はおそらく第1隊のハンズィ隊長だろう


白いのは誰が乗るんだろう?


ボクのわけ無いから、ラルフ副長かヴァイカート副長だろうか…


あと、格納庫の脇に鹵獲した敵機が数台


ひとつは甲板でマリコ機と衝突したものだろう


他にもいくつか確保されていたようだ


解析調査されるのだろうが、今は自軍の整備が最優先だ


新型機が導入されたといっても残りの既存機のほとんどがダメージを受けている


こんなタイミングで追撃が来たらどうするんだろう…


ナオトは両手を包帯に巻かれた自分の姿を見る


今の自分は何の役にも立たない


いや、


いつも医務室のベッド生活で、まともにここで勤務しているように思えない…


今の自分は何をしたらいいんだろう…


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