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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第13章 〜疾風、シュターム

ここでマリコはスラスターを最大推力にしている


目視ではほとんど間に合わないように見える


雷撃砲を撃っても敵のスピードを止めることは出来ないかもしれない


そのまま砲座に突撃しているだろう


マリコは猛スピードで下降し、そのまま砲座に迫る寸前、


間一髪!


体当たりで敵のスピードの向きを変えたのだった


画面は何度も衝撃で点滅する


回転しながら、二機は数百メートルも引きずられていく


火花!


アラームの点滅!


モニターのいくつかが消失!


凄まじい衝撃だったことがわかる



ナオトもリトケも声が出なかった…


マリコが身を呈してくれていなかったら


おそらくナオトの座る砲座は破壊されていただろう


改めてナオトは感謝してもしきれない感情となった



「…ナオト、ちょっとコメントは後にしようか?」


「…いえ、続けて下さい……そのほうがあの時の気持ちに戻ります…」


画面は早送りされて、再出撃のシーンに切り替わった


この時点でマーカスの改修によりモニターは復旧


両腕も予備パーツに換装されていた


おそらく修理箇所を確認していく時間を短縮させるために腕ごと換えたのだろう


F1モーターレースのメカニック並みのスピード換装だ


ただし、頭部のセンサー等はいくつかの警告を発している様子なので


決して万全な状態ではなかったのだろう


当時、ナオトはそこまで気を配ってなかった


エンジンが焼け付くぐらいの猛スピードで戦線復帰していた


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