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悪魔的ドクター

第7章 心配

「あの…」


「髪」


「え…?」



こちらが聞く前に
先生はそう言うと
あたしの肩に掛かる横髪に手を伸ばした。



「あッ、えッ!?」



突然の出来事に一瞬驚き
それとは別に…
なぜかドキドキした。



「髪、乾かさないと風邪をひく」



心配しながらも
横髪からスーッと毛先まで
先生の指が降りていく。




静かに囁くその声と
優しい眼差しは

いつもの先生じゃなく思えた。





なんて言うか…

カッコいいんだ。



普段は医者らしく
言いたい放題厳しい事を言うから『カッコいい』なんて考えた事なかったけど…



こんな顔もするんだなって…
新たな一面も見れた気がする。



「か、乾かして来ますッ」



カッコいいとか思った瞬間
急に恥ずかしくなってしまい
先生から逃げる様に後ずさりしてしまった。



だけど。



「待って…」



先生は髪に降れていた手を
そのままあたしの手首に移動し
捕まれてしまった。



そして
思いもよらない行動をとったんだ



「限界…」



!?



また抱き締められた…





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