悪魔的ドクター
第8章 安息
「わッ」
グラッとよろめき
体が後ろへと傾いた。
すぐ後ろは扉があり
ぶつかる事を覚悟する。
…が。
「…ッと」
咄嗟に先生が
片腕を腰にまわし、支えてくれたから倒れずに済んだ。
目の前には
先生の素敵な胸板が…
目のやり場に困るぞ…。
そして
ちょっと上には彼の顔が…。
「大丈夫か?」
近い近い近い近い!!!!
「はい…大丈夫です」
いきなり顔を覗き込むから
一気に顔が熱くなる。
先生のドアップの顔と
セクシーな筋肉質の体で
目のやり場に困り
思わず視線を外してしまった。
すると
何か勘違いしたらしく…
「あ、悪い。セクハラじゃないからな?」
苦笑いしながら
先生はあたしの体を起こし
腰にあった手を放した。
それでセクハラなんて言ったら
バチが当たる。
「助けてもらったのに、セクハラだなんて思いませんよ」
そう言うと先生は
『訴えられずに済んで良かった』なんて苦笑いするから、なんだか可笑しくなってしまった。