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悪魔的ドクター

第10章 恐怖

「何してるんだ?早く座れー」



講師の先生が教室に入ってきた為まわりにいた生徒達は、徐々に離れていく。



「咲桜…取り合えず端に座ろ?」


あたしは放心状態だったらしく
講師の声に反応出来ない。


それに気付いた明里が
花束を持ち
あたしを奥の席へと誘導してくれた。



「大丈夫?」


「…うん」



きっとコレは
あの手紙と同じ人。

怖がってる場合じゃない。
誰なのか知りたいんだから…
開けなきゃ。



犯人見つけなきゃ。

わかってるのに
震えが止まらない。






…結局

1限目で開けられなかった。


あたしはやっぱり臆病者だ。



花束もどうするか…

みんなの注目が痛い。


校内で捨てるのもマズイし
かと言って
持ったまま講義も出れない。



「…今日は帰るね」


「え、大丈夫?」


「余裕」



ひとまず処分しないと。
これ以上コレを持ったまま学校にいたら、ここに居づらくなる。


大きなバラの花束を持ち
ジロジロと視線を
ビシビシ感じながら
あたしは大学を出た。

手紙も捨てる訳にはいかず
持ってきてしまった…。






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