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悪魔的ドクター

第10章 恐怖

マンションに向かう途中
公園に立ち寄った。



このバラの花を
トイレの個室に置いてこようと考えたんだ。


まさかマンションには持って行けない。

先生が見たら確実に
『コレはどうしたんだ?』
って話になるから…。

そんなの説明出来ない…。




公園の女子トイレに入り
1つの個室にバラの花束を置く。


そして
手で握っていたあの封筒…。



逃げちゃダメ。
逃げちゃ…




震える手と心を必死に落ち着かせ『ふぅー…』と小さく息を吐き
そっと…封筒を開けた。


中に入っていたのは
1枚の手紙。





『姫宮咲桜さん


どうして君は僕の事を知らないんだ?
どうして避けるの?

あの時から
僕は君の事を愛しているのに
どうして君はそんなに冷たい反応をするの?


ずっと君を見ているのに
何度も電話をしているのに

どうして気付いてくれないの?
どうして無視するの?
どうして手紙を捨てるの?

僕の事、嫌いなの?
僕は君を愛しているんだよ
こんなにも君がほしいのに…

このバラは僕の気持ち


受け取って』




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