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悪魔的ドクター

第10章 恐怖

言葉が…出てこなかった。



ここに書いてある事…


『あの時から
僕は君の事を愛しているのに
どうして君はそんなに冷たい反応をするの?』



あの時って…いつ?



『ずっと君を見ているのに』
『何度も電話をしているのに』



最近感じた気配も
非通知の電話も……
この手紙の人?



『どうして手紙を捨てるの?』



最初の手紙も…







震えが更に増す
暑くもないのに
じわり…と汗が吹き出る。



コワイ
キモチワルイ

こんなのイヤッッ




手紙をビリビリ破り
トイレに流す。




…と
まだ片手で持っていた封筒から
もう1枚
ヒラリ…と何かが舞い落ちた。




それは…

資料室の個室で勉強する
あたしの写真だった…。




こんな写真…
撮られた覚えがない。


個室なのに…
どこから撮ったの?





「…イヤ…怖いッ」



突然ズキンと激しく頭痛が襲う。


写真もビリビリと破り捨て
あたしは逃げるように
マンションまで走って帰った。




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