悪魔的ドクター
第10章 恐怖
――
―――
―――…翌日
夕方あたしは
誰もいない資料室にいた。
ここならたぶん
あの人に会えると思ったから。
会いたくないけど…
会わなきゃ。
何かあったら
すぐ逃げよう。
大丈夫、怖くない…。
あたしは資料を探すフリをし
彼を待った。
そして
あたしの予感は的中した。
「姫宮さん?」
すぐ後ろから聞こえたその声は
あの男と同じ。
来たんだ…。
あたしはゴクリと息を飲み
鞄を握りしめたまま
体ごと振り返った。
目の前には
地味男。
震える脚で上体を支え
やっと立っている。
こんなんで大丈夫かなんて
あたしが1番不安。
だけどここまで来たら
もう後戻りは出来ない。
あたしは重たい口を開いた。
「あの花束は…アナタですか?」
「…そうだよ。気に入ってもらえた?」
やっぱり…この人だったんだ。
それがわかれば辻褄が合う。
「非通知も…アナタですね?」
「わかってるなら、出てよ」
カタカタと寒くもないのに
震えが止まらない。
―――
―――…翌日
夕方あたしは
誰もいない資料室にいた。
ここならたぶん
あの人に会えると思ったから。
会いたくないけど…
会わなきゃ。
何かあったら
すぐ逃げよう。
大丈夫、怖くない…。
あたしは資料を探すフリをし
彼を待った。
そして
あたしの予感は的中した。
「姫宮さん?」
すぐ後ろから聞こえたその声は
あの男と同じ。
来たんだ…。
あたしはゴクリと息を飲み
鞄を握りしめたまま
体ごと振り返った。
目の前には
地味男。
震える脚で上体を支え
やっと立っている。
こんなんで大丈夫かなんて
あたしが1番不安。
だけどここまで来たら
もう後戻りは出来ない。
あたしは重たい口を開いた。
「あの花束は…アナタですか?」
「…そうだよ。気に入ってもらえた?」
やっぱり…この人だったんだ。
それがわかれば辻褄が合う。
「非通知も…アナタですね?」
「わかってるなら、出てよ」
カタカタと寒くもないのに
震えが止まらない。