テキストサイズ

悪魔的ドクター

第6章 同棲

「な、なんですか?」



そんなに見られてると
食べづらいんですけど…。


先生の顔を見ずに
早々と食事を進めるあたしに
先生は突然…



「倒れる前に、気付けよ?」



なんだか意味深な事を口にした。


何の事か聞き返す前には
もう先生はキッチンを出て行ってしまい、聞けずじまい。





最近の先生は
久しぶりに会ったあの日に比べ
ちょっと変わった。


どう変わったかと聞かれると
イマイチ説明しづらいんだけど…



でもちょっと
人間らしくなった気がする。


最初は『医者』って肩書きが強すぎた。

言い方も厳しく
説教も多くて近寄り難かった。


終いには医者のくせに、平気で患者にあるまじき言葉を言い放つ。



まさに悪魔のボスだ。


最近の先生は
まさか天使が舞い降りたのか?


言い方は相変わらず自分勝手な事ばかりだけど、家に呼んだりはちょっとだけ優しい気がする。


もしかしてさ
先生あたしの事…












同情してる?




1人ぼっちで
病弱で
可哀想な子…?



「何思ってるんだろ。変な事を考えるのはやめよ」



自分で否定しながら
食べ終わった食器を洗い始めた。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ