テキストサイズ

ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

愕然として口を半開きにしていると


「何?モンブラン食いたいの?」


スプーンを差し向けながら、清水は怪訝な表情になる。


「違うわよ!そこまで食い意地張ってません!」


清水の手から勢い良くスプーンを取り上げて、ハート型のカップに入ったショートケーキにズブッ!と突き刺す。


絶対コイツだけは、あり得ない!


今度こそ早く食べて帰ろうと決意して、クリームと一緒に真っ赤なイチゴを掬い上げる。


「ここのモンブランを美味いよ」


どうしても食べさせたいのか?
清水はモンブランネタを振ってきた。


チラリと横目で清水を見ると、スプーンの上にこんもりと美味しそうなクリームを載せている。


でも…ここで一口でも貰ったら、後生ずっと『食いしん坊』って言うに違いない。


「そうね…美味しそう。パパがモンブランを好きだから帰りに買って帰ろうかな〜」


敢えて『パパが好きなモンブラン』だと主張する。


小さな見栄を張って、イチゴを食べようと口を大きく開けた時だった――――。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ