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ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

――――分かんない!


ただ清水は私をからかって楽しんでいるんだと思ったのに…


時たま見せる優しさに、困惑する。


生まれた時から、側に居たのはいつも優しいパパだった。


男の人に優しさに慣れてしまって、清水にちょっとからかわれるだけでもイライラしたり、振り回される自分が凄く嫌だ。


胸の中がザワザワして…

やたら苦しくなるんだもん…。


「帰る!!」


叫ぶように言って、両手で力一杯清水を押し退ける。


思ったより清水は簡単に身体を避けて、テーブルを指す。


「まだケーキ残ってんけど?」


シレッとした態度の清水に、怒りが湧き上がってきた。


ケーキだとぉぉぉ〜!?


こっちは怖くて泣いてるのに、まだ私を食い気で釣れると思ってるのか!!


「どうぞ! 良かったらお食べ下さい!」


皮肉めいた敬語で清水を睨んで、バッグとお土産を鷲掴みして立ち上がり、玄関に向かおうとした時――――


「おい! 忘れもん!」


「はぁ〜!?」


呼び止められて、睨み付けるように振り返ると――――


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