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ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

パフンッ!!


突然柔らかいものが、顔に突撃してきた。


「んっぷ!!」


「それ、持ってけよ」


清水に押し付けられたものを確認しようと触ってみると、フワフワした手触りがする。


掴んで見てみると、つぶらな瞳が見つめている――――


『ラッコ』の縫いぐるみだった…。


清水、買ってたんだ…
でも、なんで?


問い掛けるように清水を見上げる。


「これ…?」


「やる」


「え…」


「だって、そっくりじゃん」


「……食い意地張ってるところが?」


ラッコをジッと凝視しながら、卑屈に言うと――――


「食ってる時ってさぁ、可愛いよな」


意味深なことを言ってきた。


「はぁ!?」


「ラッコだよ」


「わ、分かってるわよ!」


不覚にも真っ赤になってしまった私の頭を清水は、笑いながら軽く小突いてきた。

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