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ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

「おかきだから大したもんじゃないよ」


「ん〜? 海鮮おかきか。 美味しそうだね」


「あら〜本当! おつまみにいいかしら?」


「ははは〜! 香織は全部おつまみにしちゃうんだね」


「何よ〜! 志信さんだって同じこと思ったでしょ!」


「うん。まぁね〜」


このおかきまでも二人のラブモード上げるアイテムになっている。


小さい頃はパパとママを見てたら、世の中の夫婦は皆んなこうなんだと思い込んでいたけど、この二人が仲良すぎるんだ。


チクチクチク――――。


いつになく胸の奥が痛くなる。


「着替えてくる……」


一旦この場を去ろうと思って立ち上がろうとすると、パパが


「ラッコ?」


「っ!!」


お土産の袋に入れておいたラッコの縫いぐるみを取り出した。


わぁぁぁぁ!
よりにもよって、一番見られたくないパパにラッコを発見されてしまたぁぁぁ〜!


「パパ……そのラッコは……」


何も聞かれていないのに、妙な後ろめたさに言い訳を始めると


「あははは〜! このラッコなんか風香に似てるね〜!」


パパはニッコリと微笑んで、恐ろしいことに清水と同じことを言ってきた。

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