テキストサイズ

ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

「あっ……うん。一緒に行った友達に」


別にパパに清水と行ったと言う必要はないし、口が裂けても言いたくない!!


そう思ったのに――――


「もしかして今日は、あの男の子とデートだったの?」


勘が良いのか宇宙衛星でも搭載しているのか、パパは笑顔で清水のことを当ててきた。


どどどどどうしよう〜!
でも清水とデートだったとは思われたくない。


「うん……清水も居たよ」


「そっかぁ。友達増えて良かったな」


鋭いパパが私の嘘を間に受けたかは分からないけど、ラッコを眺めてそう言ったパパの顔は凄く嬉しそうに見える。


私って、そんなに友達少なく見えるかな?
親友の桜だっているし、女友達もそこそこいるんだけどな……。


思わず眉間にシワを寄せて考え込んでしまうと――――


パッフゥ〜ン!


顔にラッコが引っ付いてきた。


「風香〜。ダメだよ、眉間にシワを寄せたら刻まれちゃうぞ」


「きゃ! やだ、パパったらラッコで遊ばないでよ〜!」


パパは優しい笑顔でラッコを押し付けていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ