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ふぁざー × こんぷれっくす

第5章 ファスシネイション

「なるほど! 風香ならパパさん大好きだから、後腐れなそうだしね!」


私の『虫よけ』説に、桜は激しく納得してきた。


「ちょっと! ちょっと! それが本当だったとしたら、私のファーストキスが虫よけレベルってこと!?」


「ん~? 流石に清水も、あれが始めてだとは思わなかったんじゃない?」


「いやいや! そういう問題じゃない」


ファーストキスだけはおろか、セカンドキスも見事に奪われてるし、奴の最終目的は私のローストビーフ……
『ロストヴァージン』を喰らうことだ。


もし真実がそうだとしたら、絶対に許せない!!


怒りの炎をメラメラ燃やす私に桜は苦笑いをして、野菜ジュースをズズズ~と飲み干した。


「でもそれはやっぱ、違うと思うよ。何かもっと他に理由があるような気がすんな」


流石に『虫よけ』は居た堪れなく思ったのか、桜はその説を今度は否定してきた上仮説を立ててくる。


だけど――――


「他の理由って?」


「さぁ? 清水くんに聞いてみないと解らないね~」


結局なんの謎も解けなまま、余計不安だけが大きくなっていった。

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