ふぁざー × こんぷれっくす
第5章 ファスシネイション
思い出したくもない清水の顔が頭に浮かんだ途端、無性に腹ただしくなってきた。
あいつが現れてから、私の日常はおかしくなった。
悪いのは、あいつじゃない!
もう絶対、二度と関わるもんか!
清水と出会った時から土曜日のことまでの記憶が、走馬燈になって一気に早送りされていく。
絶対、あり得なぁぁぁ――――いっ!!
ガッタン!!
苛立ちマックスの勢いで席から立ち上がると、桜が驚いて見上げている。
「風香、どうしたの!? これから講義だよ!」
「帰る! 今日はここに居たくない!」
「えぇ~!? ちょっと、あんた落ち着きなさいよ!」
「ごめん桜。今日だけだから……代弁お願い!」
「風香ぁ~!」
いきなりサボり宣言をして教室を出て行こうとする私の背中越しに、桜にしては珍しく語尾のイントネーションがぶれる声が聞こえてくる。
ごめんね桜……
でも今日は、一人になりたい――――。
土曜日のショックから抜け出せない私は、つぶらな瞳のラッコを思い出して涙ぐみそうになる。
怒り任せにドアノブを握り、思いっきりドアを開け放った途端――――
数人の女子が、私を睨みつけるように立ちはだかっていた。
あいつが現れてから、私の日常はおかしくなった。
悪いのは、あいつじゃない!
もう絶対、二度と関わるもんか!
清水と出会った時から土曜日のことまでの記憶が、走馬燈になって一気に早送りされていく。
絶対、あり得なぁぁぁ――――いっ!!
ガッタン!!
苛立ちマックスの勢いで席から立ち上がると、桜が驚いて見上げている。
「風香、どうしたの!? これから講義だよ!」
「帰る! 今日はここに居たくない!」
「えぇ~!? ちょっと、あんた落ち着きなさいよ!」
「ごめん桜。今日だけだから……代弁お願い!」
「風香ぁ~!」
いきなりサボり宣言をして教室を出て行こうとする私の背中越しに、桜にしては珍しく語尾のイントネーションがぶれる声が聞こえてくる。
ごめんね桜……
でも今日は、一人になりたい――――。
土曜日のショックから抜け出せない私は、つぶらな瞳のラッコを思い出して涙ぐみそうになる。
怒り任せにドアノブを握り、思いっきりドアを開け放った途端――――
数人の女子が、私を睨みつけるように立ちはだかっていた。