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ふぁざー × こんぷれっくす

第5章 ファスシネイション

な、何!?

教室に入ろうとしたけど、私が出てきて邪魔だ――――とか?


「あ、出ます……」


早く出たいのもあって軽く言って、女子たちの間を割ってでていこうとしたら――――。


「あなた『小田切風香』よね」


その中の一人が怒ったような声で私の名前を呼んだ。

「え?」

自分の名前を言われるとは思っていなくて単純に驚いていると、怖い顔をした女子集団が一気に私を取り囲んだ。

「ちょっと話があるんだけど、付き合ってくれない」


むむむ?
こういうシーン、漫画とかでよくあるパターン?

ママが持っているコミックスで、時たま読んだような記憶が――――。


「えっと……皆さん、講義は?」

「いいのよ! そんなの!」


これから講義をサボるつもりだった自分は良いとしても、この子たちはどうなんだろうと思って聞いただけなのに、更に顔が怖くなっていく。


「そうなの。なら良いんだけど」

「なにその態度。自分が何したか分かっているの!」

「何したかって……」


全然分からないんですけど――――!?

今日は早くどこか行きたいんだけどな……。


そんなこと思っている間にも、私と女子軍団のやり取りを見ていた教室は騒然としていた――――。


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