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ふぁざー × こんぷれっくす

第5章 ファスシネイション

「なにかまととぶってんのよ! 大学中の男子が、全部自分に気があるとでも思っているんでしょ!」

「は!? 何でそんなこと、言われなきゃならにのよ!」


確かに自分で言うのもなんだけど、大学入ってからも結構告白された。


でも皆、パパ似のこの顔が好きなだけで、私のことを好きな訳じゃない。


むしろパパが狙われているんじゃないかって、ライバル心さえ芽生える時もある。


「そういう態度がムカつくのよ! 実際あんたにフラれて傷ついている男子だっているし、その男子を好きな女子だって傷ついているんだからね!」

「はぁ~?」


正直、このパターンは小さい頃からあった。


勝手に好かれて、勝手に恨まれて、勝手に嫌われている――――。


昔はそれで泣いた時もあったけど、パパもママもお祖母ちゃんまで励ましてくれた。


唯一、学校で私の顔を気にせずに接してくれるのは、親友の桜だけだ。


別にこっちから、周りの男子を好きになった訳じゃない――――。

周りの女子の好きな人なんて、興味すらない――――。

でもそう言ったとしても、悪いのは結局『私』にされるんだ!!


それにただでさえ今は、機嫌が最悪だ。


私の怒りも、一気に爆発しそうになった。


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