テキストサイズ

ふぁざー × こんぷれっくす

第5章 ファスシネイション

「清水くん!?」
「あ……」
「これは……」


争いの原因の突然の登場に、現場が空気が騒然とする。


気まずい空気になっているのもお構いなしに、清水は睨みを利かせるながら女子の壁を割って、向かってきた。


「清水……」

「行くぞ」


呆然としている私の手首を掴んで、清水はこの場を去ろうとする。


え――――いいの?

少女漫画だったら、絵的にカッコいいのかもしれないんけど、元はと言えばあんたが原因なんだから、少しくらいこの子たちと話し合った方が良いんじゃない?

後々また恨まれるのも面倒だから、今解決しておいて欲しい――――。


「ちょっと清水、待ってよ!」

「あぁ? 早く行くぞ!」

「行くぞって、何処によ?」

「あんたの友達が、心配してんだよ」

「友達……」


桜だ!
桜が、助けを呼んでくれたんだ――――!!

流石、桜ぁぁぁ! 頼りになる……って、他にもいたじゃないの!

なんでよりにもよって、こいつなの――――!!


私は両足に力を入れて、踏ん張った。


「何だよ!」


歩こうとしない私を清水が睨んできたが、負けじと睨み返す。


「あの子たち放っておいていいの!? あんたのせいで色々誤解してるよ!」

「は? 知るかよ。良いから行くぞ」

「はぁぁぁぁ?」


知るかよって――――それこそ知るか――――!!


ストーリーメニュー

TOPTOPへ