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ふぁざー × こんぷれっくす

第5章 ファスシネイション

゚*。*⌒*。*゚*⌒*

玄関の鍵を回す指先が重い。


ここを開けてしまったら、私の聖域にこいつを入れてしまうことになるのだ――――。


せめて中に、誰も居ないことを願います!


「ただいま……」


ドアを開けて恐る恐る声を掛ける。


人気のない静けさに安堵したのも束の間、一瞬にして期待は消え去った。


「あら風香、どうしたのこんな時間に……て、その方はお友達?」


ママがしっかり在宅していた上に、すぐさま清水の存在を受け入れ態勢に入ってしまったのである。


基本的パパもママも社交的だ。


それに子供を束縛しないし、意思を尊重してくれる。


だから友達付き合いに、あれこれ口出ししてくることはほぼないという理想的な親だけど、今回ばかりはここでこいつを追い返して欲しい!


「ママ、この方は通りすがりの……」

「初めまして。清水大地と申します。風香さんとは学部は違いますが、大学で仲良くさせて頂いています。今日は風香さんが体調を悪くされたので、山蕗桜さんに頼まれてご自宅まで付き添ってきました」

「……っ」

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