無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「ち、違うよ…みんな…。これには深くて長い事情が…」


広げた両手を皆に振りながら、騒ぎを制しようとした時…


「お前…小田切の事好きなんだろ？」


清水大地が谷くんに、ストレートパンチを食らわせた。


谷くんも図星を突かれて真っ赤になる。


「な、な、何を言うんだよ！」


でもこれも皆には一目瞭然だった様で、哀れんだ視線が一斉に谷くんに投げかけられた。


これもちょっと恥ずかしいけど、話しがすり替わり内心ホッとしてしまう。


心を落ち着かせようと水を一口飲むと…


「こいつ確実に『処女』だぜ。今まで彼氏だって居なかったんじゃないの？バリバリの『ファザコン』だから、狙っても時間の無駄だし、付き合ってもきっと面倒臭えよ」


清水大地は人差し指を向けて、見透かした様に私のトラウマを公然と言い放った。


「しょ…」
絶句する、谷くん。


「プッ！」
肩を震わす、桜。


ザワザワ…

食堂中の人が興味津々で、私たちに注目してくいくる。


「こ…の…やろ…ぉ…」


私の怒りは臨界に達して、爆発寸前だった。