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ふぁざー × こんぷれっくす

第3章 ファーストキス

清水大地がそう言い放つと、また学食が騒然なった。


「あんた、本気なの?」


私より先に桜が突っ込みを入れていたけど…


え…なんて言った?


『ロストバージン』の言葉にフリーズして、目を思いっきり見開き…


「ロースト…ビーフ?」


言葉をすり替えて聞き返すと、清水大地は小馬鹿にした様な笑みを浮かべた。


「やっぱりお子ちゃまだな…お前…まぁ任せろよ」


任せろ?
何を?
ローストビーフをか?


「いいわよ!!もうお腹いっぱいだもん!」


頭がパニックで泣きそうになりながら、上ずった声で抵抗してるのに


「手始めに…キスからしとくか…」


そう呟いた清水大地の手が、私の腕と顎を掴んで思いっきり引き寄せた。


「へ…キス?」


キスって…『Kiss』?


パパとだってしたことないキスをコイツと?


お子ちゃま脳が情報処理をしている間に、引力のまま傾く身体に風圧で髪が靡いて…


鼻先には不敵に笑う、清水大地が顔を傾けていた。

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