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ふぁざー × こんぷれっくす

第3章 ファーストキス

10秒?30秒?


それとも1分?


どれくらい口とタラコがくっ付いていたんだろうか…


慣れない感触と認めたくない現実に、ターバンを巻いたインド人と空に飛んで行きそうになる。


学食のざわめきが少し静かになった頃…


チュ…プ…


水が弾けた様な音が小さく響き…


ムニムニした物体から、やっと解放された。


終始見開いた視界からスローモーションで、清水大地の顔が離れて行く。


「風香!」


桜が慌てて立ち上がって、私の肩を抱き寄せてくれた。


「小田切大丈夫か!?おいっ!お前いきなり何するんだ!」


普段は大人しい谷くんも、清水大地を叱りつける。


明らかに分が悪い筈の清水大地は


「はぁ?脱ファザコンの手伝いだけど~」


周りの視線も批判も気にした様子もなく、ふてぶてしく言い放つ始末。


「ちょっと~君!それにしたって!」


友情に厚い桜は、清水に食ってかかる。


そんな周りのやり取りを凄く遠くに聞きながら、震える指を唇に当て…

そっと撫でて…


「あんた…お昼…何を食べた?」


清水大地に問い掛けた。


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