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ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

「行こ!桜っ!」


清水の視線を避ける様に、ガシッと私は桜の手首を掴んで、引っ張って歩き出す。


「ま、待って〜風香ぁ〜!」


サバサバしている桜にしては、妙に情けない声を出す。


若しかして、清水に気を使っているのだろうか?


「いいのよ!あんな俺様、ワンマン男!また近寄って来たら、今度こそキン蹴りしてやるんだから!」


大きい声で宣言してやると、心なしか気分がスッキリして、キン蹴りをイメージしてみた。


本当に、一回くらい蹴ってやりたいわ。


「クックックッ…」


思わず笑いが込み上がる…

けど、この笑い声の主は…


「たく、お前本当に凶暴だな〜やってる最中とか、玉潰しとかされない様に手首を縛っとかないとな〜」


清水大地!!!


私は慌てて振り向くと、握っていた手首の主は…


「清水大地ぃ!!!!」


「改まってなんだよ?てかお前、俺と親友の腕間違えんなよ」


「な…」


身体を傾けて、清水の壁の先を見てみると…


遥か向こうで、桜がハンカチを振っていた。


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