テキストサイズ

ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

さっきの桜の声の理由がやっと理解した。


怒りと恥ずかしさが一気に込み上がり、顔が真っ赤になるのが解る。


そんな私を気にした様子もなく、今度は清水が…


ガシッ!


手首を掴んで私を引っ張り、歩き出す。


「ちょ…止めてよ…」


容赦ない力は女の私の力とは明らかに違う。


パパにもこんな風に引っ張られたことないのに…


胸騒ぎがして、なんだか怖くなってくる。


「やだ…ちょっと〜!」


抵抗して身体を後ろに引くが、清水はビクともしないし、通りに過ぎる生徒たちは、興味本意で眺めるだけで誰も助けてくれない。


もうこうなったら、叫ぶか…


そう思ったら!


「叫んでも無駄だから〜昨日のでほぼ、公認だから恋人の痴話喧嘩に誰も口を挟んでこないよ」


冷たく言い放たれた。


ガァ〜ン!!


そんな無情な事があるものか!


力が抜けた私を更に清水は、木陰が多い校舎の壁に押し付けて腕で囲った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ