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ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

その仕草に私は慌てて口を押さえて辺りを見回すと、周囲の人たちが何か言いたげな表情でジッと見ていた。


「すみま…せん…」


小声で呟く様に謝って、肩を竦める。


なんでこんな目に会わなきゃいけないの〜!
コイツと居ると無駄に恥を掻かせられるわ!


読めない清水の行動が面白くなくて、図書館の常識さえも清水のせいにすり替えてしまう。


恨めしくなって座った目で睨み付けると、清水は無言で手を伸ばしてきて


『さっきからなんだよ?』


真っさらな私のノートに書き込みをした。


「だっ……」


口を開きかけたが咄嗟に口をつぐみ、私も同じく清水が勉強していたノートの余白にシャーペンを走らせる。


『ずっとべんきょうしてるの?』


『そうだ!学生の本分だろ!』


『私ひまなんだけど?』


『おまえも勉強すればいいだろ!』


お互い前屈み気味になって、ノートに書き込みの応酬を繰り返していく。

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