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ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

トックン…トックン…トックン…


頬に触れる服越しに、清水の体温と脈拍が伝わってくる。


心音のリズムに合わせるかの様に背中を撫でられていると、昂ぶっていた気持ちが落ち着いてきた。


バランスを取るために、清水の腰に手を添えると


「今日…他に行きたかった所でもあった?」


清水らしかぬ優しい声で穏やかに聞いてきた。


ドックン!


その言葉に何故だか私の胸が大きく跳ねる。


な、なんだろ…
優しい清水に驚いちゃったのかな。


良くわからない感覚を無視して清水の問い掛けに答える。


「カフェとかに…行くのかと思った…」


「カフェ〜!?何だお前、デートしたかったのか?」


カッチ〜ン!
やっぱりコイツは『清水大地』だ!


思った事を言っただけなのに、どうしてそこまで自惚れられるんだ!!


鎮火したマグマが再び噴火しそうになって、清水から離れようとしたけど、全然腕を払い除けられない。


「違う!離してよっ!」


「分かったよ。次の土曜日デートしてやるよ」


腕の中でジタバタしている私に、清水は上からの物言いでデートを取り付けてきた。

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