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ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

ガチャ…


何とか家に辿り着き、ぼんやりとした意識でドアを開けた。


「ただいま…」


「お帰り〜風香。今日は遅かったわね〜!もうすぐご飯よ」


お玉を持ったママが明るく出迎えてくれたけど、放心状態でその前を通り過ぎて部屋に向かう。


「風香〜どうしたの?」


「ご飯…要らない…」


「えぇっ!具合でも悪いの?こないだからちょっと変よ!」


食欲だけは旺盛な私がそんなことを言うのは珍しく、ママも流石に不思議がった。


「ごめんなさい…もう寝る」


「もう!?冷蔵庫に入れておくから、お腹空いたら食べなさいよ」


「はぁい…」


気の抜けた返事をして、部屋のドアを閉める。


ママとは友達みたいに色々話してきたけど、清水のことだけは口が裂けても話したくないと思った。


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