テキストサイズ

ふぁざー × こんぷれっくす

第2章 ファーストタイム

パパと居ると、常にママの存在を感じるのは…
パパがママを愛している証拠なんだと認識させられる。


パパにソックリだねと言われる度に、恋人気分も味わえない現実に、毎回凹んでしまうのだった。


「パパ…それ美味しい?」


サラダライスを綺麗に食べていくパパに敢えて感想を聞いてみる。


「ん?うん美味しいよ。風香も食べてみる?」


取り分けるのに、パパは店員さんに取り皿を貰おうとした時…


「パパ!あ~ん、でいいよ!」


親鳥から餌を貰う雛みたいに、口を大きく開ける。


パパは私が小さい頃、良く「あ~んして」と、ご飯を食べさせてくれたけど、中学生くらいになったら、おねだりしないとやってくれなくなったのだ。


「風香…分けてあげるから」


パパは困った顔をしたけど、私は粘る。


「ママには、たまにしてるじゃない!なんでママだけなの?」


そうなのだ!
ママには今だに外食でも、「あ~ん」をしてあげているのを私は知っている。


ママが良くて、子どもの私がして貰えないなんて、オカシイ!


パパっ子の私は、時たまママにライバル心を持ってしまう事があった。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ