テキストサイズ

ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

目的地までの道はいつも凄い混んでいる。


ちょっとよそ見していると平気で人がぶつかって来て、謝らないで去っていく昨今。


人の波を避けながら歩くだけでも結構大変なのに、なぜか清水は手をしっかり握ってくる。


その手に視線を落とすと


「どうした?」


清水は俯いた私に声をかけてきた。


「手を繋いでると…歩き難くない?」


「別に〜」


たった一言で終了。


それ以上言っても無駄そうで、致し方なくそのまま進んでいくと、地下通路へ入り口に到着した。


エスカレーターは横並びに乗らないから、手を離そうとしたけど


「コケなよ」


先に乗った清水が、下から持ち上げる様に手を握ったままエスコートしてくる。


「だ、大丈夫よ!」


いちいち偉そうな言い方はムカつくのに、なんだか胸の奥がドキドキしいた。


やだ…
慣れないことされて、私緊張してるのかな?


胸に広がる違和感が、妙に落ち着かない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ