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ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

どこの店に行くかも言わずに、清水は私の手を握って進み出す。


このままでは清水優位で変わらない。


何とか早々にコールド勝ちをしてしまいたかった。


引っ張られながら真剣に作戦を練っていると、通りがかった店に目が止まる。


あ…これなら一泡吹かせられそう…。


「ねぇねぇ!ちょっとここに寄りたい!」


「あぁ?」


店の前で突如歩くのを止めると、若干引力に引っ張られた清水は怪訝な顔をして振り向く。


嫌がっても絶対入ってやる!


清水の驚く顔が見れると思っただけで優越感が湧いてきた。


けど――――


「へぇ〜下着か。一緒に選んでやるよ」


「はいぃ〜?」


清水は驚くどころか、そのまま私の手を引いて臆することなくランジェリーショップに入っていく。


「ちょ、ちょっと!ここ女性ものしかないんだよ!」


「分かってるけどお前入りたかったんだろ?結構ヤル気あんじゃん」


ヤル気って…何の樹?


意味深に笑う清水に、私の方が驚愕してしまった。

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