テキストサイズ

ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

渡されたランジェリーを怒り任せに元の場所に戻し、大股でショップを出る。


「ありがとうございました〜!」


何も買わない客にも愛想よく挨拶をする店員さんの声がフェイドアウトした。


不愉快だ!
やっぱり帰ろう!


そう思って来た道を戻ろうとすると


「おい!腹減らね?」


後ろからガシッと手を掴み、いけしゃあしゃあと清水が言ってきた。


「ちょっと!離してよ!」


確かにお昼時だけど、帰るつもりだからランチなんかするつもりない。


怒りを露わにして手を振り解こうとしたけど


「腹減ってカリカリしてんの?取り敢えず飯にしとこ」


清水は全くもって気にせずに私の手を引っ張て、同じ階にあるイタリアンカフェに強引に入っていく。


カリカリって…
誰が怒らせてんと思っているのよ〜!


「私…お腹空いてなんか…」


『いない』といい切ろうとした瞬間――――


ギュルルルルル〜!


お腹の虫は裏切って、空腹を主張してしまった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ