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ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

その音に顔を赤くして固まる私を清水は勝ち誇った笑みを浮かべる。


「お腹の方が素直だな」


「っ!!」


負け惜しみでも言い返してやりたかったけど、ここは観念して大人しく食べることにした。


眉間にシワを寄せたまま、口を少し開くと


「もっと大きく開かないと入れられないだろ」


しゃあしゃあと指示を出してきた。


なんでそこまで命令されなきゃならないのよ〜!


と…心の中で吠えて、仕方なく口を広げる。


「入れたから、口締めて」


ちょっと変な言い回しだな?


取り敢えずパスタは口の中に運ばれたなら、清水の「あ〜ん」からはやっと解放された。


ボロネーゼに罪はない。


舌の上に載せられたパスタを噛み始めると、表面は冷めていたが中は熱がこもっていて少し顔をしかめてしまう。


慌ててカフェオレを飲もうとしたら


「エッロ…」


清水は突然、意味不明なことを言ってニヤリと笑った。

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