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ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

やられた…。


先に食べてずらかる計画が失敗に終わってしまった。


仕方なく、そこからは大人しくカルボナーラを無言で食べていく。


『お先に失礼!』作戦は不発だったが、店を出たら帰ればいいだけのことだ。


「ごちそうさまでした…」


「ふ〜ん」


食べ終わってフォークを置くと、清水はちょっと含みのある変な返事を返してきた。


な、なんだろ?


「千円で足りるよね」


そんな清水の態度が引っかかるけど早く店を出たくて、お金を出しながら立ち上がると


「あ〜いいよ」


清水は伝票を持ってレジへと向かって行ってしまう。


「えっ!ちょっと!」


奢らせてカッコつけられるのも嫌だし、払って貰って一人だけ帰るのも気不味い。


何もかもが思い通りに行かなくて、胸がモヤっとする。


お店から出た途端、清水にお金を突き付ける。


「悪いから…自分の分は払わせてよ」


「いいって言ってんじゃん」


「だけど…きゃっ!」


一応下手気味に千円を清水の手に渡そうとしたら、お金ごと思いっきり手を握られた。

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