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ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート


゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。

「大人二枚」


「四千円になります」


結局水族館の入り口まで手を繋がれて到着してしまった。


「ちょと…私はいいよ」


「ほら、チケット」


ここまで来てやっぱり帰ろうと思ったが、清水は買ったチケットを私に渡してくる。


差し出されたチケットを凝視して、小さく溜め息を吐く。


ここまでされて帰るのも流石に大人気ないか…。


観念して水族館だけ見ていくことにした。


「ありがとう…。お金払うよ」


さっきのパスタの分も合わせて払おうと、財布を取り出そうとすると――――


ガシッ!


「良いから行くぞ」


「ひゃっ!」


また手を握り直される。


せめて一人でのんびり観せて欲しい。


「清水くん!離してよ」


「あぁ〜?迷子になったら困るだろ」


見下すように言い捨てて、清水は水族館に入って行く。


迷子って!
そこまで子供じゃないわよ!


そう言い返してやりたかったけど、後ろから結構人が入ってきていて自然と流される。


休日の水族館は家族連れや、カップルも多かった。


この人たちには私と清水は…

どんな風に映っているんだろう――――。

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