ふぁざー × こんぷれっくす
第4章 ファーストデート
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「大人二枚」
「四千円になります」
結局水族館の入り口まで手を繋がれて到着してしまった。
「ちょと…私はいいよ」
「ほら、チケット」
ここまで来てやっぱり帰ろうと思ったが、清水は買ったチケットを私に渡してくる。
差し出されたチケットを凝視して、小さく溜め息を吐く。
ここまでされて帰るのも流石に大人気ないか…。
観念して水族館だけ見ていくことにした。
「ありがとう…。お金払うよ」
さっきのパスタの分も合わせて払おうと、財布を取り出そうとすると――――
ガシッ!
「良いから行くぞ」
「ひゃっ!」
また手を握り直される。
せめて一人でのんびり観せて欲しい。
「清水くん!離してよ」
「あぁ〜?迷子になったら困るだろ」
見下すように言い捨てて、清水は水族館に入って行く。
迷子って!
そこまで子供じゃないわよ!
そう言い返してやりたかったけど、後ろから結構人が入ってきていて自然と流される。
休日の水族館は家族連れや、カップルも多かった。
この人たちには私と清水は…
どんな風に映っているんだろう――――。