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ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

「ラッコォ〜?」


それはラッコのぬいぐるみだった。


可愛いラッコに似ていると言われる分には悪い気がしないけど…


この清水が私を喜ばすことを言うとは思えない。


すっかり被害妄想ばかりしか、浮かんでこなくなっていた。


「何よ…私こんなに毛深くないけど」


ラッコに似ている理由が分からなくて、自分なりに誤魔化すと


「とぼけた顔して、食い意地張ってるところ」


「なんっ!」


不敵な笑みで見下ろされた。


ほら、言わんこっちゃない!
言ってもないけど!


もう言い返す気にもなれないわ。


「はいはい〜そうですか。どうせ食いしん坊ですよ」


清水から逃げるように、お土産のおかきを抱えてレジに並びに行く。


前の人の清算をぼんやり眺めながら、唇を噛む。


せっかく楽しい気分だったのに…

結局清水は私に意地悪したいだけなんじゃない。


会った時から好意は持たれてないのは分かっていたけど…


今日は何だか、胸がやたら痛く感じた。

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