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ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

清水に手を引かれながら、頭の中は今起きている現状を把握しようとする。


ケーキを食べに向かっている。


何処に?


清水が一人暮らししているアパートに。


行く?
行かない?←


ピロリ〜ン!


そ、そうよ!
このシチュエーションは、少女漫画でもあるように危険な状況だ!


「い、いや…もう帰る」


行きたい歩行に踏ん張る、散歩中のワンコ並みに足を止めてみると


「食わないの?」


ケーキの箱を目の高さまで掲げ、清水は餌で釣ってきた。


「っ…うん、いい。清水が食べれば」


そう言って目を背ける。


ケーキには心を惹かれるが、食い意地張ってると思われた挙句、何をされるか分からない所にやすやすと行ってなるものか。


何とか抵抗しようとしている私に、清水は


「ぷっ!何お前、取って食われるとでも思ってんの?」


小馬鹿にしたように笑ってきた。

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