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ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

明らかに清水の下心を警戒していると思われている。


そうなんだけど!
自惚れているみたいで凄く恥ずかしいし、悔しい。


「そ、そんなことないわよ!」


「そっ。じゃぁサッサと歩けよ」


「っ!!」


意地を張ったのが運の尽き、私はそのまま清水’sルームへと連行されていく。


大丈夫、大丈夫よ…。


清水は私のことを『好き』な訳じゃないんだもん。


好きでもない女子に手を出すほど、鬼畜ではないわよ…うん!


心の中で自分に言い聞かせて、冷静さを装うとしたけど――――


何か胸がチクチクする。


「着いたぜ。ここ…」


「あ…うん」


悶々としている間に清水の住んでいるアパートに到着してしまった。


「駅から結構近いんだね」


「あぁ、だから便が良いんだよ」


そんな呑気な会話までしている。


清水が住んでいる部屋は二階だったから


コツン…コツン――――


手を繋いだまま階段を上がっていった。

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