
ラズベリーの恋
第44章 高橋君
学校に行って、すでに高橋君は席で本を読んでいるの。やだ、緊張してきちゃった!わー!ドキドキが止まらないよ。「お、おはよう。ご、ごめん。本を読む時間がなくて、また今度返すね。」高橋君、やっぱり私の顔を見ようともせず「いつでもいいから。」と、ボソッとお返事しただけだった。放課後、高橋君に「ちょっと待っててくれる?」と聞いたら「うん。」と、答えて本を読んでいたの。暇だから、みんなが居なくなるまで、宿題しててやっと誰も居なくなったから「高橋君、昨日お手紙読んだよ。」と、言ったら高橋君急にソワソワして、顔が赤くなってきた。こんな高橋君を見たのは、初めてよ。「でね、お返事を書いたから、家で読んでね。」と、お手紙を渡したら受け取ってくれたんだけど、突然私の肩を掴んで軽く、キスされちゃった!すぐに高橋君は私から離れて、走って教室を出て行っちゃった。いきなりだったから、ぼーぜんとして、椅子に座ってぼんやりしてたの。あの、大人しい高橋君でも、男の子なんだね。もしかしたら、高橋君のファーストキスだったかもね。キスされちゃったし、私のお手紙読んで高橋君がどう思うか、分からないけど、明日はかなり気まずいぞ。少し、ため息ついて、家に帰って夕食の時に、高橋君の事を家族に話したの。「へー!同じ部活で、智香に2年間片思いで、いきなりキスかー!大人しいと言うの?かなり大胆な行動とったねー!」「お姉ちゃん、そうなのよ。びっくりして、えー!ウソ!と思ったよ。」そしたらお父さんが「今頃、智香の手紙見て青春終わったと、泣いてるんじゃないか。」「失礼して、ショックで学校休むんじゃない?かわいそうに!」と、お姉ちゃんは言ったけど、ニヤけてるし!うーん、複雑な気持ちになったよ。秀君に相談してみようかな。高橋君から借りた本を一気に読んで、寝ました。次の日学校に行ったら、高橋君来てた。少しホッとしたよ。「あっあの、本ありがとう。これも面白かったよ。」と、本を返したらまた、いきなりキスしてきて、ええ!みんないる教室で、そ、そんな大胆な!「ちょっ!ちょっと止めて!」と、高橋君から離れたの。そしたらグイっと抱きしめて、またキス!クラスのみんな、シーンとしてしまって見てるの!「ちょっと!高橋君、嫌よ!やめて!」と、高橋君を振り払って、泣きながら教室を出たの。秀君の教室に行ったら、私が泣いているのを、秀君が驚いて来てくれたの。
