
ラズベリーの恋
第45章 2回目のバレンタインデー
少し遅くなりましたが、二人で夕食を食べに行きました。ジャズが流れている、大人のムードある素敵なお店です。智香はちょっと緊張しました。「智香は好き嫌いないよね?僕と同じので、いい?」「うん。秀君にお任せするわ。」露木は慣れた感じで注文しました。「ねぇ、秀君。やっぱり、バレンタインデーだけあって、カップルばかりね。」「ほんとだ。ファミリーとか、居ないね。」「じゃあ、秀君、乾杯!」二人は水の入った、ワイングラスで乾杯しました。「智香、このお店には、ノンアルコールカクテルが、たくさんあるからね、一緒に飲もうね。」「へぇー!カクテル!おっしゃれ!飲んでみたいな。私、わからないから、秀君のおすすめで、お願いね。」「智香は、どうやらかなりお酒が弱いみたいだしね。大人になっても、飲まないほうがいいな。」「私を酔わせて、イタズラしちゃう!とかはしないの?」「そんな事、考えてもいないよ。いつも心配で水を飲ませたり、横にさせたりしてるよ。」「だよね。ありがとう秀君。いつも優しいね。もうー!好きっ!離さないんだからね!」「えへ!智香が可愛くて仕方ないんだ。知ってる?いつも、酔っぱらって水を飲ませようとすると、智香は口うつしで頂戴!って頼むんだよ。で、美味しいもう1回って、口うつし。」「えー!やだ!私、酔うとヤバいね。大人になって、仕事仲間と飲んでそんなに乱れたら、恥ずかしいよ!」「いや!頼む智香!僕意外の人と、飲まないで欲しいんだ。意識飛んでしまって、上司のオヤジに、お水口うつしで!なんて頼んだら、智香はホテルに連れ込まれるよ。」「あー!そうだよね。私、覚えてないもん。口うつしで!なんて。かなり、危ないよね。」「うん。智香は社会人になったら、飲む席でちゃんと断るんだよ。飲むと、急性アルコール中毒になって、救急車の騒ぎになるんです、と言ったら、みんなびびって、誰も勧めてこないよ。」「あ!それいいね!秀君、私その手でいくね。キモいオヤジにホテルなんて、絶対嫌だし!」「僕なんか不細工だし、若手のイケメンとだったらホテル!なんて、嫌だよ智香。」「やーだ!ナイナイ!私が今までイケメンに流れちゃった事ある?」「確かに、ないね。必ず僕に戻ってくれたね。」二人は見つめあって、キスしかけたら「大変お待たせいたしました。」と、前菜が運ばれました。「やだ!お店で。しちゃいそうになったよ!」「僕も。アハハ。」
