
ラズベリーの恋
第51章 膨らんだ夢
「ごめんなさい。すぐにお返事出来ません。心の整理も準備も出来ていないです。今日は、失礼いたしました。」で、帰っちゃったの。どうやら隠れて聞いていたみたいで、お姉ちゃんが「智香ー!秀樹君はもしかして、マザコン?お母さん、そうとう溺愛してるね!やーだー!智香とセックスする前に、もう母親と済ませていたりして!」「もう!気持ち悪い事言わないで!秀君は至ってノーマルなの!」「でも、智香。もし将来、秀樹君と結婚でもしたら、嫁姑のバトルが凄そうねー!怖い!」って、お姉ちゃんが脅すの。「私、秀君のお母さんとは、上手くやるわ!」「あら、智香。張り切ってるわね。お母さんは、お父さんのご両親は、お母さん達が結婚して、すぐに亡くなったから、嫁姑バトルは、わからないわ。さあさあ、ご飯の支度ね。智香、手伝って。」夕食を食べながら、まだ話してなかった、秀君のお兄さんが今どんな状態かを、話したの。「うっわっ!それはかなりショックね!あれ、医大生だったよね?将来有望だったのに、人生終わってしまったね。腹がたっていたけど、なんだかかわいそう。」「でしょ?お姉ちゃん。それで、秀君のお母さんはガリガリに痩せてしまって、痛々しかったよ。お医者さんの話しによると、もう精神分裂して治る見込みはないって。」あんなに憎んだのに、父親も同情して黙っていました。「ああ、だから秀樹君にこだわるんだ。」お姉ちゃんがそう言って、みんな黙ってしまったの。数日たって、休みの日に秀君が遊びに来てくれたの。「あら、秀樹君いらっしゃい。」「お邪魔します。」「あ!秀君。部屋に来てね!」秀君はパッと長い物出して「ホワイトデーのプレゼント。」と渡してくれたの。「ありがとう秀君。長いね!開けてみるね。」長いから、予想はついてたけど、やっぱり傘だった!しかも、またバーバリー!「わぁ!凄い!バーバリーが増えていくね。ありがとう秀君!」「それと、これも。」と箱を出したので、中を見るとシュークリームとエクレアが入っていました。「美味しそう!ありがとうね。」と、冷蔵庫に片付けました。そして二人で話しました。この前、家にお母さんが来た事など。「あのさ、智香。暗い話しになるけど、最近母親が毎晩ウィスキーやブランデー飲んで、泣いているんだ。強いお酒だし、ピッチが早いから体にさわるから、やめとけって言うんだけど、やめなくて。」
