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ラズベリーの恋

第16章 帰国

大晦日、智香からメールが来ました。「明日、アメリカから帰って来るよ!」「そうなの?明日、会えるかな?」「うん、昼からになるけど会おう。」智香は大喜びです。秀君帰って来るんだ。ドキドキしてきました。そして、お正月。近くの公園で露木と会う事にしました。「ただいま!智香。」「お帰り、秀君。アメリカはどうだった?」「勉強頑張ったよ。会話が難しくて慣れるのに時間がかかったよ。おまけに、食事がボリューム凄いし、肉が多いからちょっと太ったよ。」「会いたかったよ秀君。」二人は抱き合ってキスしました。アメリカであった事を話して、智香にお土産を渡しました。「見ていい?」うん。とうなずいて、智香は出してみると可愛いマグカップでした。
「ありがとうね。秀君。」もう、夕方だったので、手を繋いで帰りました。「またね。ありがとう。」そう言って別れました。智香は露木がいない間、お兄さんと会ってた事ははなしませんでした。どう、話したらいいか分かりませんでした。少し複雑な思いで、智香は布団に入り考えました。お兄さんが秀君に話したらどうしよう。不安になり寝付けませんでした。
次の日、露木と智香は初詣に行きました。「二人で手を合わせて拝みました。」「秀君、何お願いしたの?」「え?それは決まってるさ。智香とずっと一緒に要れますようにって。」「そっか、嬉しいな。」二人でにっこり笑いました。「ちょっと、家に寄らない?」
と露木は誘いました。智香はお兄さんがいたら、どんな顔すればいいか分かりません。「うん、せっかくだけど、親戚が来るから今日はダメなんだ。」と、智香はウソをつきました。「そうか。じゃまた今度ね。」
二人はお散歩しながら、手を繋いであるいていたら、向こうからお兄さんがやってきました。智香は焦りました。どうしよう。何か言われたらどうしよう。ドキドキしていました。「あ!兄貴。出掛けてたの?」「ああ、コンビニにちょっとね。」そして、智香を見ました。かなり動揺しているのがわかりました。「やあ、智ちゃん。」「こ、こんにちは。」智香はお兄さんを見る事が出来ません。露木は様子がおかしい事に気がつきました。露木は胸騒ぎがしました。僕がいないうちに何かあったのか?しばらく、三人は黙りこんでしまいました。「私、用事を思い出したからごめん、帰るね。」と、そそくさと帰ってしまいました。
「あのな、秀樹。話しがあるんだ。」

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