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ラズベリーの恋

第17章 男泣き

露木は兄と無言で家に帰りました。「秀樹、俺の部屋に来てくれ。」「兄貴、話しって何?」二人は床に座りました。「秀樹、智ちゃんの事が好きか?」「あ、当たり前だよ。付き合っているんだから。」「だったら、なんでお前は智ちゃん置いて、アメリカに行ったんだ?」少し、荒々しく言いました。「将来の夢の為に。二人で誓ったんだ。夢を実現しようって。」「そっか、で智ちゃんはどうしてたか知ってるか?」露木は黙りました。「今は知りたくない。聞きたくない。1人にしてくれ。」そう言って、露木は兄の部屋を出ました。露木はむしゃくしゃして、頭をかきむしりベッドに横たわりました。兄貴の口から知りたくない、智香が話してくれるのを待とう。そう思って、智香が作ったミサンガを見つめました。露木は智香にメールしました。冬休みだし、明日も会おう。とメールしました。すぐに返事が来ました。親戚の家に行かないといけないので、会えないと言う内容でした。露木はメールを眺め考えました。次の日の昼前、露木は智香の家にいきなりいきました。智香の母親が出てきて、後ろを見ると智香がいました。「秀君。お母さんちょっと出てくる。」二人は無言で歩きました。「智香、なんでウソをついたの?今までそんな事なかったのに。」「ごめん。」「僕がいない間、何があったの?兄貴が話そうとしたけど、聞きたくなかった。ちゃんと話してくれよ。」露木は泣いていました。智香は露木が泣くのを見たのは、初めてです。智香は胸が痛みました。いつもの公園のベンチに座り、智香も涙が溢れました。「秀君。ごめん。泣かせてごめんね。ウソついてごめん。秀君に会わせる顔がなくて、逃げてしまったの。秀君、話せない。話したら秀君私の事、許せなくて辛い思いさせちゃうもん。」「話してくれよ。じゃなきゃ、僕不安で苦しくてどうしたらいいかわからないよ。智香が好きなんだ。お願いだから。」露木は泣き崩れました。「秀君。私も秀君の事大好き。ごめん。秀君。」二人は抱き合って泣きました。ひとしきり泣いて、智香は決心しました。「秀君がいなくなって、寂しかったの。もう、秀君に捨てられる覚悟で話すわ。」露木は真剣に智香を見ました。「私、秀君のお兄さんと、その…。あの、ホテルに行ってしまったの。それも、毎日。お兄さん、私の事愛してると言われたの。私、困って…。ごめんなさい秀君。」

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