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ラズベリーの恋

第28章 冷たい雨で

露木は真っ青で震えています。酷い熱です。智香はパニックになりました。がたいのいい露木を運ぶなんて出来ないし、家は誰もいないしと、智香は電話して救急車を呼びました。すぐに救急車が来て、智香も一緒に乗って着いて行きました。露木がうなって熱で苦しんでる姿を見て、智香は泣きました。「秀君、ごめんね。」病院に着いて、すぐに病院の服に着替えさせられ、電気布団で体を温めて、点滴をされました。しばらくすると、顔色もよくなり震えも治まりました。少しホッとした智香は露木の手を握りしめていました。
「あ、ここは?」露木は目を覚ました。「病院よ。救急車を呼んだの。」「そっか、ありがとう。」露木は智香を見て、微笑みました。病院の先生が来て「血圧がひじょうに低く、肺炎になっています。しばらく入院ですね。ご家族の方は?」「まだです。」「ご家族の方が来られたら、連絡してください。」と、先生は行ってしまいました。「秀君、お母さんの連絡先を教えて。まだ、連絡してないの。」露木は智香に母親の電話番号を教えて、智香に連絡してもらいました。
母親は車ですぐに来ました。「秀樹、昨夜は友達の家に泊まり行くと言ってから、帰って来ないから心配してたのよ。あら、智香ちゃん。」「こんばんは。秀君が公園でずぶ濡れになって、倒れたので救急車を呼びました。」「あら、ありがとう。ずっと秀樹を看ててくれたのね。」「あの、肺炎で入院と先生が言っていました。先生がご家族の方が来られたら、連絡下さいと言ってました。」「そう、じゃあ先生の所に行って来ますね。」「智香、来てくれて嬉しかったよ。もう、来ないかと思ってたんだ。」「ごめんね。メールを見るのが怖くて、見ていなかったの。夕方になってから、見てびっくりして急いで来たの。もっと早くメールを見ていたら、秀君こんな事にならなかったのに、ごめんなさい。それに、毎日家にも来てくれてたのに、出なくてごめんなさい。」「いや、いいんだ。僕は今こうやって、智香の顔が見れただけで、嬉しいんだ。」智香は涙が出て来ました。「秀君、真っ青で死んじゃうかと思って、怖かった。ほんとに良かった!」
智香は露木の手をギュッと握って、手にキスしました。「僕は、智香だけだから。愛してるって、伝えたよね?この気持ちは、ずっと変わらないからね。ね、泣かないで。笑ってよ。」「うん。」智香は涙を拭いてにっこり笑いました。

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