真田幸村九度山ライフ~恋の相手は戦国武将~
第6章 拙者はその人の記憶を呼び起すごとに、すぐ兄上といいたくなる。
「ん……、っ」
だが同情は、舌が絡んだ瞬間吹き飛んでしまう。歯列をなぞり、千恵を味わう男は、千恵に未知の感覚を与えたのだ。
「ぁ……ふ、んんっ」
背筋に電流が走り、指先が痺れる。霞が掛かる頭は、喘ぎ声を我慢できず漏らしていた。腰に力が入らずソファにずるずるもたれると、そのまま再びソファへ寝転ぶ形となる。だが千恵の体を駆け巡るのは、寒気ではなかった。
(何これ……こんな、こんなの、初めて)
息もつけない程激しく奪われ、体の中心に衝撃が溜まる。唇はそのままに、脇腹へ昌幸の手が伸びれば、無意識に体が震えた。
野獣のキスとは裏腹に、陶器でも慈しむかのように、手は優しく脇腹を這う。狂う理性に身を捩るが、集まる熱が秘部から蜜を零す感触を自覚するだけだった。
「昌幸さ、んっ……駄目、ぁうっ!」
国親は乱した千恵の服こそ下げたものの、外したブラのホックはそのままだった。守るものがないそこは、簡単に昌幸の手に落ちてしまう。
「やっ、ああっ!」
初めてではないはずなのに、千恵は自分自身に走る快楽に焦り、戸惑っていた。