真田幸村九度山ライフ~恋の相手は戦国武将~
第10章 「両腕を一生お貸ししてもいいわ。」と娘は言った。
「千恵殿は、可愛いでござる」
するとその時、観覧車が大きく揺れて止まる。
「ひゃあっ!」
千恵は驚き大声を上げるが、それは揺れのせいではない。揺れた拍子で、際どいところを悪戯していた幸村の手が、千恵の大事なところにぶつかったための艶声だった。
「観覧車、止まったみたいですな」
「う、うん」
幸村はようやくそこで景色に目を向ける。すると、復旧のため待てと指示するアナウンスがすぐに流れた。
「おお、これが遊園地デートの定番、観覧車が止まってドキドキ大作戦ですか! 今日はついているでござる」
本来は災難なのだが、はしゃぐ幸村は千恵のよく知る姿である。欲も吹き飛び千恵は頬を緩めるが、幸村が色を取り戻すのはすぐだった。
「しかし、今日ばかりは生殺しでござるな」
「んんっ! やっ……幸村、駄目だって」
「声の調子は、言葉と真逆ですよ。さっきも、可愛い声で喜んでいました」
右手は下着の上から、そっと千恵のラインをなぞる。左手も遠慮する気を無くしたのか、控え目な胸を服の上から愛撫された。
「駄目、下着汚れちゃうから」