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真田幸村九度山ライフ~恋の相手は戦国武将~

第4章 幸村は町の移動販売車でタコスを焼く係りでした。

 
 信繁が思い悩む影で、動くものがある。しかし目をそらしたままの信繁――幸村に、その到来は予感できなかった。







 日曜日が終われば、また仕事が始まる。昼は仕事、夜は幸村達と共にゲームと、千恵は変わらぬ日常に戻っていた。そしてまた休日が迫ってきた金曜日、日常に小さな波紋が生まれる。

「千ー恵ー、今日こそは付き合ってもらうからね!」

 仕事終わり、抱きついてきたのは美穂。国親事件以来時間が合わず機がなかったが、今日は二人とも定時に上がりだったのだ。

「コンビニでお酒とおつまみ買ってー、千恵んちで飲もうよ。ほら私、千恵んち行った事なかったじゃない? 引っ越したばっかりだったし、色々あったし……明日休みだし、今日は泊まりで飲も!」

「き、今日!?」

「あれ、なんか用事でもある? 大事な用ならしょうがないけど……」

「いや、用はないんだけどね、部屋の中が散らかってるから、ちょーっとだけ待ってほしいなーって」

 家にそのまま帰れば、間違いなくゲーム中の幸村と昌幸に遭遇する。戦国武将以前の問題に千恵が渋ると、美穂は眉をひそめ千恵の顔を覗き込んだ。
 

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