真田幸村九度山ライフ~恋の相手は戦国武将~
第6章 拙者はその人の記憶を呼び起すごとに、すぐ兄上といいたくなる。
明らかな犯罪行為だというのに、国親は悪びれるどころか、笑いを零して呟いた。
「こういうプレイって今まで興味なかったけど、結構悪くないかもな。ぞくぞくする」
国親の手は服の上から千恵の胸をなぞり、邪魔だと言わんばかりに捲り上げる。身を捩り抵抗するが、縛られた体では無意味だった。
「帰ってきなよ、千恵。時間が経って気持ちを忘れたって言うなら、思い出させてやるからさ」
身勝手に呟きながら首筋に唇を落とし、国親はブラのホックを外す。そして瞳に涙を溜め首を横に振る千恵に構わず、露わになった控え目な胸に触れた。
嫌だと叫ぶ声は、くぐもって消える。届かない、否、無視される拒否に、千恵はとうとう涙を零した。
「泣くなよ……千恵の好きなところは、全部知ってるからさ、機嫌直して」
国親が胸の尖りを摘めば、体がびくりと跳ねる。しかしそれは快楽からではない。生理現象と、恐怖からきたものだった。
国親は片手で胸を愛撫しながら、もう片方を舌で舐める。ぬるりと走る人の感触に、千恵の背中は寒気が走った。
与えられる刺激に、千恵は興奮など一つも感じない。ただ恐怖で身が凍り、涙を流すだけだった。